〜アロマオイルの効果と身体に伝わる仕組み〜

アロマテラピーは、精油がさまざまな経路で心身に作用することで楽しみ、健康、予防医学QOL(生活の質)の向上などに役立ちます。アロマオイルが人のこころと身体に作用する道は、大きく分けて「嗅覚から脳」と「皮膚から身体」の2種類があります。それぞれの道によって、作用の種類や適切なオイルが変わってきますので、注意が必要です。アロマオイルはよい香りで気分がよくなるだけではなく、植物の薬理作用によって、心身の健康や美容に役立ちます。

*嗅覚(におい)から脳へ伝わるしくみ*
エッセンシャルオイル精油)の香りを嗅ぐことで、人びとはリラックスしたり、元気がもらえたりします。これらの作用が、どのようなメカニズムで伝わっていくのか、知っておきましょう。まず香りがたどる経路として、アロマオイルのにおいを嗅ぐことで香りの情報が脳へと送られます。その香りの情報は、脳の中にある体調全体に影響を及ぼす自律神経系や食欲、さらには性欲や呼吸を司る領域にまで影響を与えます。また、受け取った香りの情報に脳が反応することで、心地よい、深い、といった感情なども引き起こします。エッセンシャルオイル精油)の香りを嗅ぐことは、香りの刺激がストレートに脳に届くことで気持ちを鎮めたり、リラックスさせたり、明るくしたりといったことに役立ちます。好きな香りを楽しむことで、心地よいという感情を引き起こし、日頃の疲れから開放され癒やされましょう。

*皮膚から身体に伝わるしくみ*
エッセンシャルオイル精油)を皮膚に付けたり、マッサージで塗り込んだりすることで、皮膚の保湿や美肌に役立ちます。これらの作用が、どのようなメカニズムで伝わっていくのか、知っておきましょう。マッサージや入浴などで皮膚に塗られた精油成分は、分子構造が小さいため、皮膚の奥までしみこみ、毛細血管やリンパ管まで伝わります。100種類以上の成分が含まれているアロマオイルは、成分によって全身の血行を良くしたり、筋肉のこわばりをほぐす作用があります。その作用によって、乾燥から肌を守ったり、血行をよくして身体の内側にある老廃物を取り除いたりすることもできるのです。